働き方

「副業解禁」の本当の意味とは?なぜ政府が推進しているのか?

副業解禁の意味は?なぜ今なのか

【働き方改革】が叫ばれる中、「副業解禁」の流れになっているといわれておりますが、これはどういった事なのか解説します。

なぜ、政府は「副業解禁」を進めようとしているのでしょうか?

この記事でわかること
  1. なぜ、いま「副業解禁」なのか
  2. 副業解禁している企業の事例は?2014年から実施している企業もある!
  3. 政府が「副業解禁」を推進する本当の理由は?
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今の時代、「副業解禁」が必要な理由

政府の「働き方改革」指針によると、キャリアパスの改善策のひとつが「副業解禁」

今、政府は「働き方改革」を掲げ、働き方の改善に取り組んでいます。
2017年3月には、「働き方改革実行計画」が作成されました。

その中で日本の労働環境における問題として、下記の3つが挙げられています。

  1. 正規、非正規の不合理な処遇の差
  2. 長時間労働
  3. 単線型のキャリアパス

言い換えれば単線型のキャリアパスは、「選択肢の殆どないキャリアパス」とも言えます。

例えば、日本においては、多くの人は新卒で入社したら、「1つの企業で定年まで勤め、昇進の道も出世競争に負けると途絶える」という非常に選択肢の少ない道を進んでいるのではないでしょうか。

出世レースこのように、選択肢の殆どないキャリアパスのことを“単線型のキャリアパス”といいます。日本においては、終身雇用制度そのものともいえるでしょう。

この、型のキャリアパスの改善策の1つとして、政府は、副業・兼業を推進しています。

そして、政府は、副業・兼業について次のように述べています。

「諸外国では副業・兼業を通じた起業が開業率の向上にも寄与しており、新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業の手段や第2の人生の準備としても有効である」

つまり、本業で活躍している人達がその能力を活かして、副業をすれば、新たな技術が生まれる可能性が高まるということなのでしょう。

さらに、この経験が自分の起業などにつながり、収入も増え、人生の選択肢の幅が広がっていきます。

その結果、単線型のキャリアパスの問題が解決されると、政府は考えているのではないでしょうか。

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副業解禁の流れを受け、実際に副業をしている方々の目的は?なぜ副業をするのか?

一方、実際に副業をしている人達は、何を目的に副業をしているのでしょうか。
厚生労働省労働基準局提出資料を見ると、その内容は、

  1. 位:十分な収入
  2. 位:自分のやりたい仕事
  3. 位:働く場所の自由

となっています。
やはり、副業・兼業をする1番の理由は、十分な収入を得ることのようですね。

では、なぜ、収入が必要と感じるのでしょうか。

その理由は、「収入が伸びない」ことと「将来のお金に対する不安要素が多い」ことの2点だと考えられます。

不安を抱える女性

「収入が伸びない」理由:“単線型のキャリアパス”が日本に根付いているため

先にも述べたように日本では、フリーランスでの働き方も多くなってきたとはいえ、まだまだ終身雇用制度が多くの企業で採用されています。

新卒で入社したら、年齢を重ねるごとに、一例として係長⇒課長⇒部長⇒部門長⇒役員へと昇進していきます。

そして、それに伴い収入も少しずつアップしていきます。

そして、定年を迎えたら退職金をもらい退職する、又は、再雇用してもらうという流れになっています。

この制度の為、現在、企業にはバブル世代と呼ばれる人達が多く存在しています。
その影響で、20~40代の人は昇進できず、給料が伸びにくいという状況があります。

「将来のお金に対する不安要素が多い」理由:消費税などの税金や年金問題

2014年4月に8%に引き上げられた後、数回の延期を経ましたが、2019年10月に10%に引き上げられることが決定しています。

ガーンとショックのサラリーマンこれにより、多かれ少なかれ、生活への負担は必ず増えるでしょう。
その他にも、年金問題などでよく言われている、

「負担する保険料が増えるかもしれない」
「年金がもらえないかもしれない」

という不安もあります。

このように収入が伸びない中で、将来の不安要素に備えるためには、働けるうちにたくさん稼いでおくことが大事なのではないでしょうか。

このため、副業の重要性も高まってきているのです。

副業を解禁している企業はどんなところがあるのか?事例は?

厚生労働省の“平成26年度兼業副業に係る取組み実態調査事業”によると、副業を認めているのは、2019年度では22%の企業

では、世の中の企業は副業についてどの程度副業の解禁が進んでいるのでしょうか。

厚生労働省の“平成26年度兼業副業に係る取組み実態調査事業”によると、副業を認めているのは、全体の14.7%程でしたが、2019年度では22%程まで伸びているようです。

具体的な企業名で見てみると、通信会社のNTTドコモやソフトバンク、スーパなどの小売業でおなじみのイオン、他にもソニーやパナソニック、自動車関連では日産自動車やトヨタ車体、ゆうちょ銀行などの銀行業まで、様々な業態で副業が解禁されています。

どちらかというと、大手の企業の方が多いようなイメージです。

副業を解禁している理由は企業により様々ですが、
「社員のスキルアップにつながる」
「イノベーションの創出につながる」
などが多いようです。

そんな中、面白い例として、企業側から副業を勧められたという方がいらっしゃいました。
2014年からパラレルワークされてますね。

ロフトワークという広告・メディア関連の企業なのですが、ここで働く石川真弓(いしかわまゆみ)さんという方は週4勤務で広報・プランナーとして働き、残りはフリーライターとして働いているそうです。

このきっかけは、石川さんがブログライターをされているのを企業側が知っていて、企業の方から週4勤務の案を提案してきたそうです。
>>参考:週4勤務+副業はキャリアのリスクになる?

このように、何年か前からも、色々と働き方の多様化への対応を進めてきている企業もあるようです。

ただ、まだまだ世間に浸透しきっているとは言えませんね。

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政府が、副業を推進している本当の理由

日本が今抱える問題の解決を、企業だけに任せておけないため⇒「個人」で何とかしなければいけない時代に突入

先にも述べたように、日本の現役20~40代は収入が伸びにくい現状です。

それによって、持ち家を買って、結婚し子育てするにも十分なお金が無いため、結婚しない人も増えています。

これが、将来の労働人口の減少も招いています。

1人の老人の年金を2人で支える人口が減れば、年金問題で言われているように、「2~3人で1人の高齢者で支えなければならない」という時代になってしまいます。

収入が少ないので、当然、持ち家を買ったり、車を買ったりという消費も活性化されず、景気も上がっていきません。

このように、収入が伸びないことにより、多くの問題が起きています。
逆に、収入が伸びれば、これらの問題は解決していく可能性があります。

なので、政府は企業に対して賃金を上げるように要求していますが、なかなか実現できていません。

なぜ、企業は賃金を上げないのか

その理由は、賃金を上げるより、M&Aなどの投資に目が向いているからです。

そのほうが儲かり、株主への配当要求にも答えることができるからです。
他にも、賃金をいったん上げたら、不況になったからといって、下げにくいという側面もあるようです。

放心状態のサラリーマンこのあたりの給料が増えない理由については、下記の記事にて取り上げています。

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以上のように日本の問題を解決するために「賃上げしてほしい政府」と「賃上げしたくない企業」の間で中々問題が解決できないという状況になっています。

このような状況の中で、「従業員を1つの企業に縛るのではなく、働き方を多様化して、自分の身は自分で守れるようすべきだ」と政府は考えているのです。

そして、これを日本の問題の解決の糸口としたい意図ですね。

これならば、賃上げの必要もないので、企業も賛同してくるでしょう。

それは、現在の副業が解禁されてきている状況を見ても明らかです。

となると、企業に勤めている私たちが何をすべきかというと、“もう企業に尽くしても守ってくれない”という意識を持つべきです。

会社にしがみつく人
このように、いつまでも会社にしがみついていてはいけません。

そして、政府が推進している通り副業を積極的に実施し、自分の稼ぎを自分自身の力で増やさなければいけないのではないでしょうか。

企業側の都合もあるでしょうが、あまり深く考えすぎていてもしようがありません。
やれる事はたくさんありますね!

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