働き方

政府は副業解禁を推進しているのに、なぜ世間には浸透しないのか?

副業解禁はなぜ浸透しないのか

政府は、「働き方改革」を大々的に掲げていますが、いまいち世間に浸透している感じしませんよね。

これはなぜなのでしょうか?
まとめてみました。

この記事でわかること
  1. 副業解禁したいサラリーマンはデータからも非常に多くなってきていること
  2. なぜ、副業解禁が浸透していかないのか?(企業側および従業員側、双方の意見)
  3. では、どうしたら副業解禁が進むのか
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平成30年(2018年)に厚生労働省が行った「モデル就業規則」の公開から、副業解禁元年が幕を明けた

会社員側の副業に対する関心は、かなり高まっているのに・・

新生銀行やDeNA、ユニチャームといった有名企業が数々と副業解禁を発表し、多くの若
手社員が副業を開始し、いくつもの事業をまたいだ仕事をしているニュースを目にする機
会が増えています。

平成30年のモデル就業規則の公開に先駆けて、NPO法人二枚目の名刺が行っていた「>>平成29 大企業勤務者の副業に関する意識調査(@Pressニュースより)」によれば、実際に副業を行っている人、これから行いたい人を合わせると58.4%にのぼり、この結果から、従業員側の副業に対する関心は非常に高いことがわかります。

しかし世間全体で見れば、企業側の制度変更は遅々として進まず、副業という労働スタイ
ルが十分に浸透しているとはいえません

副業を行いたいと口にするビジネスマンの声は聞こえるのに、なぜ多くの企業は副業解禁
に至らないのでしょうか。

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副業解禁なのに、浸透しない理由は?なぜ?

企業側からみる副業に対する取り組みをおさらい

2018年7月~8月に関東経済産業局が行った、関東地方の約8,000社を対象に行った調査を
まとめた「兼業・副業による人材の受け入れニーズ調査報告書」により、現在の企業の副
業に対する取り組み方が見えてきました。

>>兼業・副業による人材の受け入れニーズ調査報告書.pdf

「兼業・副業の解禁状況」について、大企業でも、自社従業員が他企業で兼業・副業を実施することに対して実に割以上が「取り組む予定はない」「そもそもモデル就業規則自体を知らない」と回答しています。

これは驚愕の結果ですよね。

政府がしっかりモデル規則を作って発信しているのにも関わらず、またこれだけニュースで取り上げられているのにも関わらず「そもそも知らない」という回答が有ること自体が、驚きです・・

こういう企業の人事担当者のために、当ブログは、しっかりと情報発信をしていかねばなりませんね(涙)!

モデル就業規則を知らない、規則も変えない大企業

国が主導する副業解禁の姿勢と、従業員側の副業に対する希望とは大きくかけ離れた結果
となりましたが、なぜ多くの起業は副業の解禁について検討すらしないのでしょうか。

下記は就業規則を変更していないことがわかるデータです。

実に、上記調査報告書のアンケートに答えた90%の企業が、就業規則を変更していません。

就業規則を変更していない企業が9割

副業解禁による企業側の懸念・不安点があるためになかなか浸透していかない?

関東経済産業局の調査によれば、従業員を送り出す側としての懸念点は、大企業・中小企
業ともに

  1. 「業務に専念して欲しい」
  2. 「疲労による業務効率の低下懸念」

が7割前後。

大企業はそれに加え「法務管理上の問題(労働時間、給与管理等)」を挙げています。

また受け入れる側としての懸念点も、大企業・中小企業ともに

  1. 「法務管理上の問題」
  2. 「事務管理が煩雑になる」
  3. 「業務上の秘密を保持したい」

の3点がトップ3となっていました。

副業が本業に悪影響を与えることを最も強く懸念しており、大企業では制度上の問題も無
視できないと判断しているようです。

しかし、現実問題として終身雇用制は崩壊しており、従業員の一生を面倒見られると断言
できるような企業は少なくなりました。

つぶれそうな会社

従業員側は自身と家族の生活を守るための収入を得る必要があるため、少しでも安定した収入を増やす方法をとらなければいけません。

NPO法人二枚目の名刺の意識調査によれば、「副業を認めない会社に魅力を感じるか」の質問に対し、56.5%が「魅力を感じない」と回答しています。

この回答は、これからは人材の確保のためにも多くの企業が、副業を認める方向に舵を切
らざるをえない時代になることを示しているといえるでしょう。

従業員側としても、「自由に働くことができそう」な点は、就職や転職においても、重要なポイントですよね!

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どうすれば副業が進む?

やはり企業側が人材確保も加味して、自由な働き方への改革に舵を切るしかない

クラウドソーシングサービスの先駆けである株式会社クラウドワークスでは、2016年7月
より全従業員を対象に、副業の自由化・リモートワーク・フレックスタイムを導入し、自
由な働き方ができる制度を実現しています。

>>クラウドワークス全社員にプレスリリース:全従業員を対象にリモートワーク・副業の自由化を導入 多様な働き方を実践・研究するための新人事制度「ハタカク!」を開始

クラウドワークスの新人事制度「ハタカク!」について公式より引用

開始時期:2016年7月1日より
※一部10月より開始。今後も随時「ハタカク!」の制度改定や追加を行います。
対象者:当社が雇用する全ての正社員
【今回導入される制度】
(1)副業の自由化:様々な業務に携わることで、業務経験やスキルを向上
(2)リモートワーク:部署・業務に関係なく全従業員がオフィス以外の場所で就業を可能に
(3)フレックスタイム:ライフイベント・ライフスタイルに合わせて柔軟に勤務時間を選択

副業を推進させていくためには、これからよい人材の確保を目指している企業がそれぞれ
、副業を含めた自由な働き方ができるように、社内の制度やシステムを整えていくことが
求められるでしょう。

副業による労務も含めた従業員管理まで求められることを視野に入れ、有用な人材を流動
的に使える仕組みができてはじめて、本当の副業解禁元年がやってくるのです

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