2018年6月の国会で、時間外労働時間の上限を法律で定め、違反すると罰則が科せられる「働き方改革関係法案」が決定しました。
法律で残業時間の上限を規制することは、「労働労働基準法」が制定された、70年前の1947年以来初めての大改革になります。
働き方改革で変更された残業規制は、いったいどのような内容なのでしょうか?
- 残業規制に違反すると企業に罰則があること
- 具体的にはどんな罰則なのか
- 違反を続けると企業はどうなるのか
Contents
残業規制に罰則があるって知ってた?
労働基準法の一部改正で時間外労働に上限規制
現在36制定の時間外労働では、「原則月45時間以内、かつ年間360時間以内」が残業時間の上限とされ、法的な強制力はなく、実際は残業がいくらでも可能となっているのが現状です。
そのため、長時間労働による過労死、過労自殺、病気などが問題となっています。
これらを解決するために、時間外労働の上限時間を定めて、法的な強制力を持たせる法律ができました。
労働基準法が一部改正されて、大企業では2019年4月1日から、中小企業では2020年4月1日から始まります。
その中には、「罰則付き時間外労働の上限規制」が設けられました。
残業の上限時間を原則「1ヵ月45時間、かつ1年360時間」とし、繁忙期などの特例として「年720時間(月平均60時間)」と規定しています。
さらには、2ヵ月~6ヵ月の平均が、いずれも休日労働も含め80時間以内、単月では、休日労働も含め100時間未満、月45時間を超える月数は6ヵ月(6回)までなどの決まりが違反すると、労基法違反として罰則の対象になります。
これまでも残業時間の上限に規制はありましたが、労働組合と企業が合意した特別条項付きの36規定があれば、残業時間はいくらでも増やせていました。
この抜け穴を防ぐために、法律で残業時間の上限を規制し、違反すると罰則を科せることが、2018年6月の参院本議会で決定しました。
具体的にどんな罰則?
【半年以下の懲役の懲役刑】または、【30万以下の罰金の罰金刑】が科せられ、「犯罪」として扱われる!
「働き方改革関連法案」の施行が始まることで、上記でも説明した時間外労働の上限を超えてしまうと、罰則が企業に対して「半年以下の懲役」の懲役刑または「30万以下の罰金」の罰金刑が科せられ、「犯罪」として扱われます。
罰則を受けるのは指揮命令をしていた上司だけでなく、違法と知っていながら何もしなかった社長、会社にも罰則が科せられることになります。そのため、会社の人事部や総務部としては必ず対策しなければなりません。
もちろん大企業だけでなく、中小企業も書類送検の対象です。
しかし、建設事業、自動車運転業務、医師については適用が猶予の対象となり、新技術・新商品などの研究開発業務は、適用除外となります。
違反を続けると・・・
従業員たちと顧客からの信用失墜につながり、経営にも影響
過労死や病気にもつながる長時間労働を辞めさせるために定められた法律「罰則付き時間外労働の上限規制」ですが、違反すると懲役刑または罰金刑の罰則が科せられます。
違反を続けると、一番は従業員からの信用を失うことにもなるし、顧客や取引先からも厳しい批判を受ける可能性があります。
そのため、法改正後はこれまで以上に、会社としては労働時間の管理方法を見直したり、36協定を見直したり、時間外労働を無くしていくことが求められます。
会社にとっては、負担が増えますが、違反するわけにはいかないので、対策する必要が出てきているわけですね。
会社を辞めたくても辞められない方へ。