個人の夢やアイディアに共感した人から支援を得たい、または、地域活性化のための資金を募る方法として、クラウドファンディングという名前を耳にする機会が増えてきました。
実際にはインターネットを利用して不特定多数の人や組織から資金を集めるのですが、クラウドファンディングで資金を集めると税金が掛かるのでしょうか。
また、その税金はどのようなものなのでしょうか。
ここでは、クラウドファンディングを使って資金を集める際に掛かる税務上の取り扱いについて解説しています。
「資金を首尾よく集められたのは良いけれど、全部使っちゃって納める税金がない!」ということのないように、しっかり把握しておきましょう。
Contents
クラウドファンディングで集まったお金は税金が掛かる?
個人→所得税
法人→法人税
個人から個人へ寄付の場合は贈与税がかかる可能性も!
結論からいうと、クラウドファンディングで集めたお金には税金が掛かります。
クラウドファンディングには、「購入型」「寄付型」「投資型」の3つの種類があります。
税務の上では3種類それぞれに課せられる税金の種類が違いますので、まずは「購入型」「寄付型」「投資型」とは何なのかを見ていきましょう。
購入型
購入型クラウドファンディングでは、資金を集める対価として、支援者に商品やサービスを提供します。
たとえば、絵本を出版するための資金を募り、絵本が出来上がったら支援者に出来上がった絵本を提供するといったイメージです。
出典:Ready for 自然と共に過ごす、森のようちえん。10周年記念の本を出版!
寄付型
寄付型とは、そのものズバリ「寄付」です。支援者はリターンを受け取ることができません。たとえば、遺跡を守るための改修資金を募ったり、発展途上国に学校を作るための建築資金を募ったりすることが寄付型になります。
出典:Ready for 地雷処理にとどまらない。自立可能なカンボジアの地域づくりへ
投資型
投資型は、ファンドを利用して投資資金を集めることができます。たとえば、不動産投資のクラウドファンディングでは、都内の1等地にあるマンションを丸々1棟購入するための資金を募り、マンションの運営によって得た利益を支援者に還元します。購入型との違いは、投資型は金銭のリターンであるという点が違います。
では、この3つの型があることを踏まえ、本題の「クラウドファンディングのお金は税金が掛かるのか」ということについて見ていきます。
購入型に掛かる税金
個人が資金を募った場合は「所得税」、法人の場合は「法人税」が掛かります。
先ほどの絵本の例でいうと、出来上がった絵本が売れた時点で売上を計上しますので、その所得に対して所得税が掛かります。
また、法人の場合は収入計上しますので、最終的には法人税が掛かります。
寄付型に掛かる税金
寄付型は複雑で、税金が掛かるパターンが4種類あります。
- 個人が個人から資金を受けた場合・・・贈与税(基礎控除110万円の適用あり)
- 個人が法人から資金を受けた場合・・・所得税(一時所得)
- 法人が個人から資金を受けた場合・・・法人税
- 法人が法人から資金を受けた場合・・・法人税
投資型に掛かる税金
個人が資金を募った場合は、その所得に応じて所得税が、法人は法人税が掛かります。
クラウドファンディングで集めたお金は税金がかかる #新世界
— Yuta curry (@YutaCurry) 2019年3月1日
国税庁の見解
集めることに文句はないが、ちゃんと申告してほしい!
矢野経済研究所の調査によると、クラウドファンディングの2017年度の利用は前年度比127.5%増となっています。利用者が増えると、募った資金の申告漏れや間違った申告が増え、延滞税や重加算税が科せられる場があります。
国税庁としては、間違いなく漏れなく税金を納めてくれればいいというのが本音ではないでしょうか。
出典:株式会社矢野経済研究所 2017年度の国内クラウドファンディング市場規模は新規プロジェクト支援ベースで前年度比127.5%増の1,700億円
クラファンと税金の話を教えられる専門家が必要な感ある #VRサークル報告会
— いっこう / ikkou (@ikkou) 2018年10月27日
まとめ
集めようとしている資金は、「購入型」「寄付型」「投資型」のどれだったでしょうか。
クラウドファンディングには形こそ違うものの、どの型にも税金が掛かってきますのでしっかりと理解して資金調達をおこないましょう。