ここ数年、不安の声も多い日本市場とは対照的に、米国市場では好景気の煽りをうけたETF(上場投資市場)が注目を集めています。
今後の投資を考えるのなら、やはり日本市場はあきらめて米国市場をターゲットにするべきなのでしょうか?
結論としては、その通りです。なぜならば、米国市場には以下のように、魅力的な市場に欠かせない条件が揃っているからです。
魅力的な市場となる条件=・持続的な経済成長(技術進歩)
- 富が集中する仕組みがある(資本投下)
- 安定的な市場があること(労働力)
具体的にどういうことなのか、「日本市場」と「米国市場」を比較しつつ、注目の「米国ETF投資」についてのお話をしていきたいと思います。
日本市場の弱点
少子高齢化社会・GDP伸び率が悪い・ずっとレンジ相場
出典:総務省統計局 人口推計 平成28年10月1日現在 結果の概要 全国の年齢別人口
日本市場の弱点として、まず挙げられるのが少子高齢化社会です。
日本の年齢別人口ピラミッドをみればわかるように、年齢が若くなる下に向かって細くなっていますよね。
労働人口の不足は、市場の活性化において非常に問題となります。
出典:総務省 第1部 特集 ICTが導く震災復興・日本再生の道筋
また、GDP(経済成長率)も芳しくありません。平成22年度にはいっとき上昇しましたが、過去17年間では一貫して下降気味。将来が心配になってしまうようなデータですよね。
そして、日本の景気はレンジ相場と呼ばれ、まるで箱のなかに収まっているかのように一定の範囲内でしか変動がありません。
このように、魅力的な市場となる条件はすべて欠けてしまっています。我が国のことなので悲しいとは思いますが、投資面ではシビアな考えをもった方がよさそうな結果ですね。
米国市場の魅力
労働人口の増加・GDP伸び率がよい・基本的に右肩上がりの景気サイクル
日本市場とは打って変わって、魅力的な市場となる条件を満たしているのが米国市場です。日本市場と同様、年齢別の人口推移・GDP伸び率・景気サイクルについてそれぞれみていきましょう。
出典:総務省統計局 世界の統計2019
まずは年齢別の人口推移。日本と比べると一目瞭然ですよね。先進国としてはめずらしく、労働人口となる若い年齢の人口が多いことが特徴です。
安定した労働力の確保は、安定した市場を生み出します。
また、GDPに関しても、アメリカは1990年から2017年まで世界1位をキープし続けています。(IMF・国連統計)さすがは世界最大の経済大国といったところでしょうか。
出典:GLOBAL NOTE 米国の統計データ
そして最後に景気サイクルですが、こちらも文句なしの右肩上がり。戦後の平均である5年を優に超えて景気の拡大が続いています。
出典:株式市場プレジデント社 米国の好景気は”戦後最長”を更新できるか
これで魅力的な市場となる条件はすべてクリアです。日本市場とは真逆の結果となり、やはり今後の投資先はアメリカに決めた、という方も多いのではないでしょうか。
アメリカを代表する株価指数である「ダウ平均株価」や「ナスダック総合指数」は、景気の影響を強く受けるので、これらと連動する米国ETF投資が人気となっている理由もよくわかりましたよね。