加熱する自治体の『ふるさと納税』合戦も、総務省の「待った」で流れが変わりつつある今。
もともと地方の税収アップ・均一化を見込んでスタートしたふるさと納税制度は、大都市の自治体ほど税収が減っていく不安を抱えるものとなってきました。
ふるさと納税の人気で税収アップを実現していく地方の自治体が目立つ一方で、東京や神奈川など大都市圏の自治体の税収状況はどうなっているのでしょうか。
結論から言うと、ふるさと納税により、「東京都」が減収ナンバーワンです。
減収額は驚愕の「645億円」ですね。
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Contents
ふるさと納税による減収ナンバーワンは東京都!(▲約645億円!)
残酷な現実ですが、人気のお礼品をそろえられない自治体・ふるさと納税戦略が下手な自治体は、正直税収が減ってしまっています。
住民税がもっとも多く他の自治体に流れてしまっているのは「東京都」です。
総務省のまとめによると、2018年度は流出額が約645億円と算出されています。
画像出典:日経WEBより
ガーン!入るはずだった税収が地方に流れた!
豪華な返礼品が次々と登場した結果、地方の自治体では全国から続々とふるさと納税の申し込みが届いています。
ふるさと納税による寄付額は2017年度で3653億円、2018年で5127億円。
なんと前年度比2016年⇒2017年で28%アップ、2017年⇒2018年で50%以上アップしたほどです。
ふるさと納税の登場で、人口や産業地盤が乏しい自治体にも新たな財源が生まれました。
また、税収が年々伸び続けているのは、近年増え続ける災害で被災した各地の地域に、全国から募金の感覚で寄付金が集まっているのも大きな理由です。
一方で、ふるさと納税の恩恵をあまり受けない大都市の自治体は、本来入るはずだった税収が地方に流れていくという問題に直面しています。
そもそも、東京都や東京23区、神奈川県川崎市など、財政の健全な大都市の自治体は地方交付税を受けていません。
その上、ふるさと納税で税収減となっても、国からの赤字をカバーする交付金は今のところないのです。
もし、このままふるさと納税の人気が大きくなると、大都市の自治体はますます税収が減っていく可能性が高くなります。
高みの見物をしていた東京都。世田谷区ではふるさと納税で40億円以上失う!
世田谷区単体で見ても、ふるさと納税のあおりで、なんと40億円以上もの減収となっている状態です。
世田谷区では年々税収減に危機感……!
地方交付税を受けておらず、全国でも厳しい税収減にさらされている東京都世田谷区。
世田谷区の一般会計予算は年間およそ3,000億円です。
区の集計では、2018年度にふるさと納税の影響でなんと41億円もの税収が失われたといいます。
しかも、税収減の金額は年々増加傾向に。
2015年度の2億6,000万円から41億円の減収ですから、たった4年で20倍にもなったという事になります。
世田谷区では年間50億円の税収減も近いだろうと危機感を募らせています。
一般会計予算から比べると約1.3%の税収減といっても、将来的に続くとなると行政サービスに影響が出かねない金額です。
たとえば、待機児童で話題の認可保育園。
園庭付きの施設を10園作るのに、33億円かかります。
また、老朽化した学校の改築を1校手がけるのにかかる金額は31億円。
社会問題になっている教育や福祉問題の改善に必要な行政サービスに遅れが生じる可能性も生まれているのです。
税収の問題はふるさと納税だけではありません。
国によって地方の税金の流れの見直しが続いているため、今後予測される税収減の金額は約100億円にも。
また、保育無償化では世田谷区の費用負担は20億円にのぼります。
このように、税収をとりまく状況が一段と厳しさを増す一方で、行政サービスへの予算は増え続けています。
そこへさらにふるさと納税による税収減が重なるという事態になっているのです。
泉佐野市などは「やりすぎ」と言われながら数百億円を集めましたね。
(現在は総務省から目をつけられてしまい、ふるさと納税対象から泉佐野市は除外されています)
やりすぎ?ふるさと納税泉佐野市がとうとう除外決定・・係争委員会が発動し、国と泉佐野市で裁判沙汰に?
第二のリーマンショックが来たら東京都の財政は危機的か?
世界的な金融危機を引き起こしたリーマンショック級がもし来てしまうと・・と考えると恐ろしいことです。
現時点では、人口増による税収でなんとかふるさと納税減収分をカバー
これまで、人口もお金も東京に一極集中する時代が長く続きました。
今も、東京では人口増の自治体が多く、住民税などの納税額のアップでふるさと納税などの影響をカバーできています。
地方交付税を受けていない世田谷区の積立金は約800億円。
赤字の地方公共団体が多い中、ふるさと納税の影響くらいたいしたことはない、といった見方もあります。
反面、地方は人口の流出や産業の衰退で、疲れ切っており、その手立ての一つとして、地方自治体が注力しはじめたのがふるさと納税でした。
しかし、世界的に経済情勢や政治情勢が不安定な中、いつ2008年に世界を巻き込んだリーマンショック級の景気の低迷が起こらないとは限りません。
もし、当時のような経済情勢の悪化があると、東京の23区といっても税収が一気に落ち込みます。
大幅な税収減の状況でも、他の地方公共団体とちがって、交付税を受けていない東京都や東京23区には、国からの交付税の補てんもありません。
東京のふるさと納税のゆくえは?
2019年6月からスタートした新しいふるさと納税。
東京都が参加を見送ったというニュースが話題になりました。
人気の電化製品や商品券といった地域振興とはつながりの感じられない返礼品の数々。
加熱していたふるさと納税ブームは、いったん落ち着きつつあるかのように見えます。
しかし、大都市の自治体のふるさと納税分の税収減の状況は今後も続く見込みです。
こうした都会の自治体の税収減をどうやってクリアしていくのか。
自治体側の取り組み、国の方針のゆくえが注目されます!
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